上森一成新町長が所信表明をしました

 平成28年能勢町議会11月会議の開会にあたり、今期4年の私の町政運営に関する所信を申し述べさせていただく機会をいただきまして、心から深く感謝申し上げます。

 私は去る10月16日に執行されました町長選挙におきまして、住民の皆様のご支持を賜わり、町制60周年の節目を迎える能勢町政のかじ取りを担わせていただくことになりました。改めてその職責と使命の重大さを認識し身の引き締まる思いでございます。

 今後、本町の更なる発展と住民福祉の向上に全力を尽くし、このまちを明日へ、そして未来へと繋いでいくために全力を尽くす所存でございますので、議員の皆様並びに住民の皆様のご理解とご協力を賜わりますようお願い申し上げます。 まずはダイオキシン汚染物の処理問題について申し上げなければなりません。

 我がまち、能勢の誇りを取り戻す。そして、失墜した信用を取り戻す。私は、この度の町長選挙におきまして、住民の皆様にこの事を繰り返し訴えてまいりました。

 平成9年、私たちのふるさと能勢は高濃度のダイオキシンを排出したまちとして注目を集めました。以降、私たちの先達が一丸となり、ダイオキシン汚染物の完全無害化をめざし、山積する課題の解決と風評被害の払拭に取り組んだ結果、ダイオキシン汚染物198本のドラム缶処理を残すのみとなっていました。しかしながら、今回の一連の事件によって、その努力は水泡に帰し、再び風評被害が生じる状況に陥っています。

 私は、この汚染物の完全無害化を町政の最重要課題に位置付け、情報公開を徹底し、一日も早い原因の究明と問題解決に取り組んでまいります。そのため、国や大阪府並びに学識者のお力も借りながら取り組んでまいりますが、問題の解決には何よりも議員の皆様、住民の皆様と私たち行政が一体となって取り組むことが必要不可欠でありますので、改めてご理解とご協力をお願いするものです。

 私は今回の選挙で、「一万人だからできるまちづくり」というテーマを掲げてまいりました。

 我が国が抱える構造的な課題である、少子高齢化は本町にも及んでおり、人口は平成10年の1万5千人をピークに減少し、現在1万人あまり、高齢化率は35%と、これまでに経験したことのないダウンサイジングの時代を迎え、行政には時代の要請に応じたきめ細やかな対応が求められています。

 「(仮称)地区担当職員制度」により、職員が地域と行政とのパイプ役として地域に寄り添い、密接な関係を構築することで、身近な行政を作り出してまいりたいと考えております。そして、住民の皆様がお互いを認め合い、自分の時間を少しだけまちのために、そして他者(ひと)のために使うこと。それこそが能勢にしかできないまちづくりを行う、はじめの一歩になると確信しております。

 今後の町政運営にあたっては、選挙を通じ申し上げてきた四つのアクション(基本政策)を着実に実行することにより、先人の英知とたゆまぬ努力によって連綿と紡いできた「糸」を、議員の皆様、住民の皆様、私たち行政がそれぞれの「糸」で、さらに強固で容易には切れない「糸」へと紡いでいかなければなりません。

 以下、それぞれのアクションに沿って、その概要を申し述べたいと存じます。

1.子どもが創る明るい未来

 近年、本町では子育て世代の減少が続いており、その結果、出生者数が減少し、総人口が減少していくという負の連鎖が生じております。

 まちの活力を将来にわたって維持していくためには、子ども・子育て世代の暮らしを守り、未来に希望を抱くことができる地域社会を創生していくことが不可欠であります。

 「子は希望」です。子どもたち、そしてその次の世代の子どもたちにも、誇りある能勢でありたい。

 子どもたちが将来に夢や希望を抱き、自己を実現できる環境を創っていきたい。 

 そうした地域社会を創っていくことは、今を生きる私たちの責任であります。

 若者の活気をまちに取り戻し、「能勢で子育てをしたい」と思っていただける魅力ある環境の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 さて、学校再編整備を経て、能勢ささゆり学園が開校いたしました。これからは、施設面における充実に加えまして、児童・生徒の学力の向上や人間力の形成に向けて、さらなる強化が求められています。

教育現場が直面する課題や教育施策の効果検証を適切に行いながら、時代の要請、そして保護者の負託に応える教育の構築に力を注いでまいりたいと考えております。

 そして、子どもたち一人ひとりが持つ個性を最大限に伸ばすことができるよう、全ての子どもの「学び」を保障するとともに、学校・地域・家庭・行政が一体となった「学び」の環境づくりを推進してまいります。 子育て施策につきましては、子ども医療費助成の拡充など保護者の経済的な負担軽減策を実行するとともに、「(仮称)子ども基金」や「(仮称)子ども食堂」を創設することにより、まち全体で子ども・子育てを応援する環境づくりを進めてまいります。

 また、東地域における保育・子育てサービスの拠点整備についても歌垣小学校跡地の活用を検討してまいりたいと考えております。なお、歌垣小学校跡地については、診療所など既存の公共施設の集約化・複合化を併せて検討することにより、地域のコミュニティ拠点となる多機能型の施設へと質的向上を図ることで、東地域の活性化にも寄与してまいりたいと考えております。

 これら教育・子育て施策につきましては、若者世代が住みやすい能勢の実現に向けたファーストステップとして早期に実行に移してまいります。

2.安心して生きていく未来

 本町においては、今後ますます高齢化が進むことが見込まれており、医療や介護ニーズの高まりや認知症対策など高齢者やその家族を支えていく包括的な地域医療体制の確立が急がれております。

 超高齢化社会と言われる現代だからこそ、誰もが住み慣れた地域で素敵な明日を迎えることができるまちづくりを進めて行かなければなりません。

 そして、誰もが安心して地域で生きていくことができる未来は、地域とともに創っていくものであり、住民の皆様のお力添えなくしては成し遂げられるものではないと思っております。

 引き続き、住民の皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げますとともに、職員が一丸となって、地域の皆様の活動を全力でお支えしてまいりますことをお約束申し上げたいと存じます。 高齢化が進行する中で、地域医療体制の充実・強化に向けましては、町内医療機関と連携協力のもと、高齢者の「かかりつけ医・歯科医」を指定してまいります。「かかりつけ医」が中心となって職種間連携を円滑に進めることで、「治療する医療」から「治し支える医療」へと転換を図り、高齢者を地域で支えていく仕組みづくりを行うとともに、訪問看護ステーションを設置し、地域医療を支える基盤強化を進めてまいります。

 また、診療所運営については、地域包括ケアの中心となり、訪問診療や地域連携を積極的に展開することができる体制を整えてまいります。 高齢者をはじめ住民の誰もが、日々の暮らしに役割や生きがいをもって健康寿命を延伸し、心豊かな暮らしを続けていくためには、地域におけるコミュニティの存在がますます重要になっております。

 地域やボランティア組織が実施する高齢者等の日常生活における見守り活動や移動サービスなど、地区を拠点とした「共助」の取り組みを支援するとともに、在宅福祉・在宅医療を支えていく専門人材の確保についても、関係機関とともに育成支援することで、社会的包摂の推進に向けて取り組んでまいります。 本町は助け合いの精神や協働の仕組みが古くから根付いてきたまちです。

 このまちの随所に活かされている先人の知恵や技術を次の世代へと継承していくことは、本町がさらに発展していくためにも重要であります。 また、本町には地域社会の第一線で活躍される高齢者が数多おられます。世代間の交流促進など高齢者がお持ちの経験や技術を学ぶことができる「場」を積極的に確保してまいりたいと考えております。

3.土地とともに生きる未来

 本町では、明治から昭和初期にかけて、厳しい気候風土と共生のもと「三白三黒」に代表される特産品を主産業に、ヒト・モノ・カネの循環を創ってきました。

 そして、自然共生によるまちづくりの歴史の中で、今も故郷の良き原風景や安定した農業基盤が維持・保全されています。

 今日の美しいまちの姿は、過去から連綿と続く人々の営みの姿そのものであり、私たちの誇りであります。 しかし、近年では人口減少や高齢化が進む中で、個々人の努力に頼るだけでは、広大な田畑や山林を管理していくことが難しくなりつつあります。

 まさに時代の大きな過渡期の中ではありますが、私たちはこうした諸課題に正面から向き合い、自然との共生・循環の中から、新しい豊かさを再発見していくことが必要であると考えております。 能勢は先達が里山の自然と真面目に向き合い、上手に付き合いながら、地域資源の恵みを享受してきたまちです。

 能勢の新鮮な野菜や栗、大地の恵みを求めて、幾多の行列ができます。能勢は限りないポテンシャルを有しています。

 私たちは、先達が守ってきたこの土地の魅力をもっと活かしていくことができるのではないでしょうか。 農村の魅力や価値を拡大し、農業所得を向上させ、農地を未来へと保全していくために「(仮称)農業公社設立構想」を進め、地域農業の活性化に取り組んでまいります。 

 受託農林業の促進や農産加工品の生産・販売など農業の高付加価値化を総合的に担っていく公的な農業法人の設立に向けて検討を進めるとともに、民間の農業法人の設立に関する支援を行い、農業の起業化促進、担い手の育成に取り組んでまいります。

 また、里山づくりや持続可能な森林資源の利活用の促進に向けまして、間伐材等による小規模なバイオマス発電の取り組みを進めてまいります。未利用材等の資源に新たな価値を創出することにより、地域雇用の創出やエネルギーの自給自足、さらには農業や観光など他産業との連携を見据えることで地域経済の活性化にも寄与してまいります。

 獣害対策につきましては、野生鳥獣による農作物への被害が甚大であり、地域の皆様とともに総合的な対策を行っていく必要があります。

 森林資源の有効利用を促進していくとともに、緩衝帯の整備により野生鳥獣の生息環境と農地の棲み分けを図ったり、関係機関との連携強化など獣害対策の充実により、被害防止施策を計画的に推し進めてまいります。

 また、水際対策として効果の高い、防護柵設置に要する費用の支援や捕獲檻の貸出しなどについても引き続き実施いたします。

 さて、新名神高速道路の開通を控える中で、広域交流の活性化が期待されております。本町におきましても、世界に誇れる里山の魅力を発信していくとともに、食・文化・歴史等の地域資源を磨き上げながら、地域全体に好循環を創出する新しい観光ルートづくりに向けて、地域の皆様とともに盛り上げ、取り組んでまいります。

 また、都市住民との連携交流を創出し、定住化の促進や地域における活動人口の増加へとつなげていくため、「けやきの里」周辺に地域交流拠点づくりを早期に進めてまいります。

4.はたらく明日を描く未来

 社会経済が成熟化し日々の生活をより豊かに、そして質の高いものにしていく観点が重要になっております。

 その中でも、「はたらく」ということは暮らしを支え、人生に生きがいをもたらすものであり、同時に家庭や地域社会における他者(ひと)とのつながりは、個々人の生活の充足感を高めていく上で大切にしていかなければなりません。

 こうした中で、本町の「はたらく環境」については、事業所数や生産力が年々減少傾向にあり、若者の町内就業率も減少しているのが実態であります。

 能勢に暮らし、充実した毎日を過ごしていくためには、「しごと」の場を確保していくことが重要であり、若者の雇用創出、経済活動の活性化に向けて積極的に打って出てまいりたいと考えております。 このため、企業立地を促進する税の優遇制度を創設し、農業をはじめ地域の強みを生かした企業の誘致を戦略的に実行してまいります。

 同時に、既存立地企業に対しては町内雇用の促進に向けた優遇制度を創設し、人材の確保を図ってまいります。

 また、町内の商工業者が連携した協議会組織の立ち上げやラウンドテーブルの設置により、地域経済の好循環創出に向けて官民連携で取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、学校跡地の活用をはじめ、町内未利用施設についても民間開放を行うなど有効活用を図ってまいります。 「住まい」の環境づくりに関しては、本町に移住を希望される方々に対して、役場に移住相談コンシェルジュを配置し、きめ細やかな対応を行うとともに、空き物件等の情報提供をスムーズに行うことができるように、空き家対策の総合的な計画を策定してまいります。 また、本町の移住情報や観光情報をはじめ各種施策のプロモーション・情報発信については、行政として積極的に取り組んでいかなければならない点であると感じております。 定期刊行物として、「(仮称)観光ジャーナル」を創刊するなど、多くの皆さまが本町に関心とつながりを持っていただけるよう情報発信力を強化してまいります。

 なお、情報発信は一方通行であってはならず、双方向のコミュニケーションが必要であります。

 そのため、冒頭でも申し上げました「(仮称)地区担当職員制度」により、役場と地域の情報共有や地域固有の課題解決に向けて、行政と住民の連携を深めてまいりたいと考えております。 一万人という規模のまちであるからこそ、地域と行政の顔の見える関係性を創っていけるのであり、一万人という規模のまちであるからこそ、地域と行政が手を取り合ってつながっていかなければならないのです。一万人の幸せを追求し、大きな喜びを得られるまちにしていかなければならないのです。

 しごとづくりとともに、このまちに生きる幸せや満足度を高めることで、はたらく明日を描いてまいります。

おわりに

 「努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功する者は皆努力している。」

 音楽家ベートーベンの言葉であります。

 町政運営にも同じことが言えるのではないでしょうか。日々の生活や将来の先行きに誰もが不安を覚え、出口の見えない迷路に迷い込んだような錯覚すら覚える今日において、常に全力で全身全霊を傾け、最善の方策を探求し続ける決意が今私たちに求められています。

 このまちを未来へと引き継いでいくために。

 この、まちを明日へつなげていくために。

 「一万人だからできるまちづくり」を通して、職員と一丸となって真摯に取り組み、どの方向に舵を切り、どのように実践していくのかを責任を持って決断することが、私に課せられた使命であると確信するものであります。 私はこの4年間、「一隅を照らす」という故事に習い、このまちに関わりのあるすべての人が、それぞれの持ち場で全力を尽くすことができるように、そして住民の皆様にお約束したことを、立ち止まることなく、時に先頭に立ち、時に殿(しんがり)を務め、一歩ずつ愚直に取り組んでいくことを、ここにお誓い申し上げます。 以上、私のまちづくりに対する基本的な考え方を申し上げました。議員の皆様並びに住民の皆様の一層のご支援・ご協力を心からお願い申し上げまして、所信表明といたします。

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総務部総務課政策推進係(本館1階)
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更新日:2017年06月30日